ものづくりへの姿勢

1992年につくられた矢野顕子のドキュメンタリーSUPER FOLK SONG(←表題作の演奏映像)。F氏が貸与くださった。あんまり素晴らしくて5回以上見た。


ピアノを弾いて歌いつつ一発撮りで一曲を完成させる様子が、緊迫感ある画面から伝わる。喉と指と耳はこんなに離れた器官で、そしてそれを一定時間総動員させることはこんなに研ぎ澄まされて大変なことなんだ!と正座で鑑賞してしまう。
言葉と旋律によってできる「曲」の存在感に、演奏という行動が体当たりしていく。


中でも、途中で失敗した中央線(←これはまた別の映像だけど)は明らかに完成収録されてる曲よりいい。どこがいいかといわれると素人なので困ってしまうが、先に書いた三つの器官がそれぞれ暴れながらギリギリのところで納まってる感っていうのかなあ。各器官を制御するもう一次高い次元のものの存在を感じることができるのです。奔放と統制のせめぎあい。


ものを作る真摯な道のりを、垣間見ることができます。Fさま、ありがとございましたっ!