学ぶこと

承前
この日は聞きたいレクチャーがあって、清滝まで足を伸ばしたのでありました。
尊敬する小林亜里さん企画で、刈谷夏子さんによる「大村はま先生に学ぶ〜学びひたり教えひたろう 優劣のかなたで〜」です。
国語教師として名高い大村はま先生(1906〜2005)(←ちょっと読みにくいかな)が、どのような授業を、と興味をもったのでありました。
刈谷さんは大村先生円熟期の生徒で、長じて晩年の大村先生を助け、「大村はま記念国語教育の会」事務局長として多くの本も著されている方です。そして、小林さんも大村先生の教え子かつ刈谷さんの同級生!で企画実現とのことでした。


まず記したいのは、刈谷さんのお話ぶり。快い声、聞き取りやすい言葉で、お話にぐっと集中してしまいます。
そして、この日の参加者に向けてエピソード中心に展開されたお話はとっつきやすく、私の想像をはるかに超えて素晴らしいものでした。


私は、言葉を知ることは世界を知ることだ、と思っています。
例えば、「うれしい」と「喜ばしい」はどう違うのか、どういう場面で使うのかを知ることが、世界を細やかに見ることに繋がっているのではないかな、と考えています。もちろん、語彙だけで世界がわかるわけではないとも知っているけれど。
だから「言葉を学ぶ」ことに興味があって参加した訳ですが、大村先生は単に国語を教えたわけではなかったのです。学ぶことのおもしろさを教え、学び続けることが生きることなんだということころまで、生徒を引っ張っていく。高所から教えるということではなく、生徒達の先頭に立って未開の地へ分け入っていくその教え方がかっこよくて興奮してしまいました。
教育というのは、これほど人を突き動かすんだ!とドスンと衝撃をもらってしまいました。
沢山の素晴らしいエピソード(←この方が書いてはるのが私も一番心に残った)がありました。
来年もまた刈谷さんのお話を伺える機会があればうれしいです(刈谷さんのご夫君の剛彦先生の朝日書評ファンだった私としては、次回はそんな話も伺いたい!)。