木津川アートを歩く1

木津川アート(←奈良の気になるB&B)へ行ってきました。
まずは市役所で、若干微妙な3作品。ちょうど係りの方がおられて、他の会場をうまくまわれるよう説明をいただけたのはラッキー。


案内に沿って集落をめぐる。町の中心地は、JR木津駅から交通量の多い道路をはさんで位置していて、古い建物もちらほら残る。
←こんなモダンな建物も
  


土久利(とくり)邸は、今もお住まいの旧家で、奥のお茶室と庭を拝見。
料亭川喜は木津川そばの老舗です。舟運が主交通だった時代にはさぞかし賑わったんだろうなあ。敷地内の土足部分にうまく作品が並んで、建物とコラボしてました。
  


続いて八木邸。築80年の米蔵が今回のポスターに使われています。そのポスターから伝わる存在感に、こりゃ行ってみないと!と思わせられたのでありました。北側は道路の向こうに木津川が、南側は学研都市線の線路が走るという立地。お座敷とお庭もよかったけれど、やっぱり圧巻は3棟の米蔵! 川(正面)側は荒壁と板壁で、内側は荒壁で仕上げられています。スサは結構多目。鏝で入れたと思われる斜めの線は本来ならその上に漆喰なんかを塗るための引っかかりなんですが、ここんちは当初から荒壁仕上げのつもりで、化粧として入れられているみたい。先日、写真から「当初から荒壁仕上げのつもりでは?」と教えてくださった左官棟梁S氏の眼力に改めて敬服です。この蔵のなかの、光、奥行きを生かした日下部一司作品が素晴らしかった。空気がピリッと締まって、普通は「温かさ」を感じがちな蔵内部の土壁と、丸太が反射するほのかな光を硬質なものに変えていた。もうお一人の招待作家大西伸明作品による固さと柔らかさの表現も、蔵の中で「時間」というものを意識させる展示だと感じる。
  
  


取り壊される予定の旧南都銀行を使った作品群の中では、いろんな方が書いてはるけど林直さんの写真がよかった。ずっとずっと地域を見続けている、何百枚、何千枚から選ばれているであろう写真群。草いきれ、すりむいた膝小僧の血、日に焼けたセメントといった被写体の臭いまで感じられる作品でした。
 


お昼ご飯難民になるらしいと聞いていたので、駅前で店を探すも全然なし。生涯でほとんど経験のない「ほっかほっか亭」で弁当を買って駅前ベンチで相方と食す。……おいしくないね。わくわくして損した。相方、ごめん。
長くなるなあ。つづく。