せとせと読書

ひととき6月号(←広告主向けのこのぺえじがおもろい)
グリーン車の備え付け雑誌です。特集が「東京の庭」ということで、社長のおみやげ。
江戸の庭園って気になれど、なかなか行く機会がないのです。それに庭園は四季折々で表情が異なるから、一度行ってもまた違う季節に行きたくなる。恥ずかしながら、未だに庭園美術館に行ったことがないので、涼しくなったら次こそは、と思うのであった。


東京シェア生活(←物件探せます)
今、東京ではシェアハウス物件が増えていて、この本は、のぞくだけでも日々楽しい、ひつじ不動産によるもの。個々の物件写真は色んな制約のためか個別スペース、共用スペースとも寸止め気分が募りましたが、ライフスタイル提案雑誌風でこゆつくりが読者さんをくすぐるのかな?
N吉的にはシェアハウスに対するQ&Aや、居住者の意見といったテキスト部分がおもしろかった。住処は生き方の反映だから、色んな選択肢が増えることには諸手を挙げて賛成です。「キッチンがちゃんとしてるから自炊をよくするようになった」という意見がいくつかあって、食の大切さにおおきくうなづいたり、セミパブリックスペースの役割に気づいたり。ちんけなワンルームは、人生の腰掛に選ばれる形態なんだと思う。


ミーツへの道(←引用も適切で魅力的なぺえじ)
夜討朝駆け的に街を徘徊し、雑誌「meets」を作ってはった敬愛すべき編集長による興亡記。相方が買って来てくれました。
N吉は高校時代にLマガジンを読み出して、大学時代はSAVVYをよく買ってた。夜遊び店には詳しくなかったけれど、家族で食事するのは定番とされるウマ店だったり、おもしろげな店を見つけたら誌面に紹介されて優越感を味わったりと、かなり自分アンテナとこの会社が発行する雑誌の指向がかぶってて、同志的気分があったことを思い出す。創刊黎明期の熱い思いと幸福な動き、そして今や飛ぶ鳥落とす内田樹せんせい他の書き手を発掘し、一時代を築いた雑誌の黎明から退社までがスピード感あふれる文章ですいすい読めます。とてもおもしろい。だからこそ、会社と軋轢を生じてくる後半がつらくて、この会社の出版物は読まないぞ!という気にさえなってしまった。
ところで書名は、なぜカタカナ?


総特集萩尾望都(←ファンの方による考察と評価)
初めて読んだのは教科書に載った「ポーの一族」だったかもしれない、な完全なる後追い世代のN吉です。長編はほとんど読んでいなくて、短編をちらちら見ているだけでは、その作家の世界観を理解するのには至らんのだなあ、と雑食読書を反省。
と言うわけで、評的なことを書くのはおこがましいんですが、このMOOK、ご家族インタビューや同年代漫画家インタビューによって、当人がどう形作られ、見られているのか、があぶりだされる非常に興味深い一冊になっていると思います。自らの小さな気付きや想いを温めて考え続けて、異国や宇宙を舞台にしつつそれを卓越した画力と構成で表現しはる作家さんなのですね。
巻末にはアメリカンコミックス用の横書き漫画も収録されているのですが、縦書き漫画のコマ送りより読みにくい気がしたのは、自分が横書き漫画に慣れてないからだろーな。