田辺聖子/酒井順子/ささやななえこ/芳賀正晴

三十すぎのぼたん雪
おせいさん祭り第二弾。品行方正じゃない、ちょっとだらっとした男女の恋愛模様がおもしろい。若いときに読んでたら、腹を立てていたかもなあ。きわどい話もあるけど、ドロドロはしていないのがいい。あ、でも最後の、ヒモと別れられない女の話はやっぱりイラっとした。


負け犬の遠吠え(←wikiまで!)
ちょっと前のベストセラーをようやく読んだ。おもろかった!
負け犬の希望の星とされているサーヤ様も嫁がれてもう幾年。いやあ、年の流れを感じますな。
それはともかく、全然「負け犬」じゃないよね、彼女達は。負けているふりをしているだけやもん。子持ち友人にかわいそがられても、全然うらやましくないって気持ちもすんごくよくわかるー。
シングルも、カップルも、ファミリーも、それぞれの選択と形をそれぞれに尊重して、多様な人々が混ざり合って生きていく社会の礎を、この本は作ろうとしてるんとちゃうかな。
あ、あと、常体と敬体の混じる著者の文体が好きです。


ミノタウルス
昔の作品なので、絵柄がちょいと古いなり。英国を舞台にしたちょっぴりホラーなコミック。いや、ホラーな話を解決するクスリと笑えるバディもの、と言えようか。
昔は結構こういった海外舞台ものをよく読んだ気がするけれど、最近の漫画業界にもこういうお話は多いんだろうか。半径50mの日常生活モノばかり目に付いてしまうのは自分自身の好みが変わったから?
異国の文化を、絵や物語からたくさん吸収してたんだなあ、と今更ながら思春期漫画遍歴に思いを馳せたのでありました。


わたしだけのフリーマガジン・フリーペーパーの作りかた(←これくらい親切な版元解説でありたい)
カラー印刷でデザインも優れてるフリペが集められがちなこの手の本にあって、本書は1色刷の行政のもの等も目配りして拾ってて、しかもデザイナーならではの着目すべき点をキャプションでつけていて、勉強になる。
それにしてもなんで、こんな地味な装丁なんだろ。と思ったら、帯がカラーでカラフルだったんですな。はずれていたのでわからなんだ。