阪神間の住宅地を歩む

大阪市歴史博物館の建築史探偵団2010の後編(←こんな写真がとれたら素敵〜な方のぺえじ)にて、阪神間を街歩き。いただいた資料のおかげでブログ書きやすいっす。


灘中学・高等学校本館(←あちこちの角度からの素晴らしい写真がたくさん!な方のぺえじ)
名高き進学校の校舎が登録文化財だったとは知りませんでした。しかも、設計は大阪の生駒ビルヂングなども設計しはった宋兵蔵さんなんですね。
様式建築からモダニズム建築への過渡期、なんだか危なっかしいバランスだけれども生真面目な印象です。それにしても、このあたり坂が多い。


倚松庵(←うえ〜星取表。こういう評価の仕方にはなんか違和感がある)
谷崎潤一郎が妻松子達と住んだ家が1990年に移築されたもの。公開日ではないので、中には入れず。
外観から判断するだけですが、数寄屋っぽさを残した昭和初期の借家らしい、近代和風というほど重々しくはないような造りだと感じました。『細雪』によるとこの家で舞の発表会も行われたということなのかしらん?それにしては小さいような。


神戸市立魚崎小学校門柱と、お向かいの東灘区区民センター(旧魚崎町役場)
小学校校舎は震災に遭い、当初のデザインを活かしつつ新築されました。
正統な近代建築にくらべると、いずれもなんだか不思議な感じをもちますが、これこそが、上の灘校でも感じた過渡期の建築なんでせう。
  
そして、そんな時代の建築がこのあたりに集まっているということはつまり、この土地がその時代に一度に開発された(=非常に発展した)場所だということができるのだと思います。
そうそう、このご近所のミニ開発住宅地がなんか素敵だった。ちょっと時代は下るんれど。
  ←計画的小集団開発


菊正宗酒造記念館で展示見学後、阪神住吉駅へ。
階段に沿った丸窓がかわゆす。スクラッチタイルも懐かしい。
  


神戸市立御影公会堂
これまた、なんだか不思議な建物。閉店時間後の、ドライエリアに面する地下の食堂を拝見。ハイカラやわ〜。次はここでお食事したい。各階の部屋は使用されていてそれがまたうれしい。文化財指定などはまだ受けていないらしいですが、こうやって小さな子供から大人までが使っていくことで建物への愛着が生まれ、大事に残っていくに違いない。
屋上には、フランク・ロイド・ライトか?と思わせる円柱に見晴台が建っていて、急な階段をおっかなびっくり上がる。普段は非公開だから、歴博の皆さんに感謝です。
    
『窓から読みとく近代建築』であげられてたトイレの窓を初めて実見。トイレの窓にしては大きすぎる気がするので、外観から内部を設計したのかなあ。そうか、東側からも見てみればよかった。  


甲南漬資料館(←タメイキをついてしまうようなステキ写真ばかりな方のぺえじ)
名前は何度も聞いたことがありましたが、なるほど、こんな立派な洋館やったんや。
    
しかも、メリハリつけて利活用してはるのもほほえましい。階段周りのアールデコな装飾、屋上の分離派チックな塔屋など、見所たくさんでした。お庭は、和風庭園にグロッタらしきものがあったけどあれは防空壕

盛りだくさんなルートもこちらで解散。
楽しかった。皆様ありがとうございました。