乙女心を蹴り起こされる

ぴりかさんからルーシー・リー展(←HASHさんはいつも美意識高し)にお誘いいただき、ご友人で陶芸家のY氏ともご一緒できるということでわっくわく!な話をしたら、母マルヨも行きたいと……。そうや、先の東京展に美妹が行って、皆で興奮してたもんな。とゆことでマルヨとともに参戦したのであります。


大阪市立東洋陶磁美術館(←写真が素敵なこちらによると、設計は大阪都市整備局+日建設計とのこと。ん〜分担具合が気になります)は、住友グループによる安宅コレクションが基になった優品の多い館です。建築は、器なんぞの小品を見ることに特化していて、肘の高さの手すりがついてて見やすい。


何度も足を運んでるこの館ですが、今まででいちばん女子が多かった。そりゃま、そうだよね。ルーシー・リーの作品、生き方は凛としてて美しい。デジイチをぶら下げたクウネル系女子(この形容ももう古いか)の支持を得るのも納得。いやー、N吉も久しく忘れていた乙女心というものの存在を、久しぶりに思い出したよ。


ともかく、薄くて華奢な作品ばかり。色はやさしく華やか。たくさんは焼けないけれど、細やかな温度設定ができるという電機釜を使って、釉薬と温度の掛け合わせを科学的に追究しはったらしいです。
手で掻いた線や鎬の端正なこと。そして、口縁(っていう?)、つまり唇の当たる細い細い部分を内側の色にするか、外側の色にするかで劇的に器の表情が変わることが作品を見ていくとよくわかって、その探究心に身震いした。だから、器内部がもっとよく見えるように鏡とか設えてほしかったどす。
作品名はほとんどなくて、例えば「白釉大鉢」といった釉薬と形による名づけがされていたのは、彼女が芸術家ではなく、職人たろうとしていたからなのか。
会場には、ウェッジウッドに依頼されて試作品を作ったけれど採用されず手元に残したカップも何点かあって、これがまたかっこい! 形も色使いもシンプルで。実現されてたらよかったのにー。それにしてもウェッジウッドのあの青は門外不出なんだ。先方から送られた粘土で試作品を作ったそうです。
たっぷり見たあと、造本も素晴らしい図録を購入してほくほく。


館HPでチェキしてた特集展「福島サト子氏寄贈−川崎毅展」もよかったです。釉薬と造形による表面の変化がおもしろい塊から、ジブリアニメにでてくる地中海のような無国籍な町並みが立ち上がってる。そこにいる人や暮らしを思わず想像してしまう刺激的な作品群でした。また見てみたい!


あいにく前日にY様のご都合悪くなり、ご一緒できず残念でした。プロならではのご感想を伺ってみたかった。
相方に興奮を伝えたところ、「リーさんてことは中国人?」と言われた。orz。