江戸琳派からの挑戦状

最終日にバタバタと、細見美術館の展覧会へ。
板橋区立美術館と共催の『お江戸の琳派と狩野派展』です。
こつこつと、琳派の魅力を独自企画で伝えてきはった細見さん。共催てことは、その一連の試みがどんどん広がりつつあるということなのですね。志の高さに深く頭を垂れるであります。


でもえーーと江戸琳派って……。酒井抱一ぐらいしか知りませんでして、色んな人の作品がちょこちょこあって、浅薄なN吉知識では時代と流派の流れまでを理解することはできませんでした。小さい館なので流れがわかるくらい作品が並ばないのもあると思う。
むしろ、いつも独自展をやってきはった印象の強い細見さんが公立の館と、というのがおもしろくて、展示替えが期間中三度もあったんかー、先方からの要請で、漢字だけの表題を、今の言葉で(たぶん子供たちにもわかるレベルで)付け直す+説明する、という試みがなされていたのかーと驚きました。


古美術(という表現でOKなのかはともかく)って、中華料理のメニューと一緒で、図柄やその表現に型があって、それは言葉で表現され、名づけられている。だから、鑑賞者は作品を見る前に、タイトルで「ああ、あの物語を描いた図ね」「あの季節を描いた図やね」と想像できる。その言葉の型をいかに裏切るか、ってのも表現者の腕の見せ所のような気もしますが、あまり知識がないため、これだっつー例は思い浮かびません。
今回の表題に対する試みは、「型」を知らない人々に訴えかけるレベルから鑑賞について考えてみようよ!っていう取り組みだと思うので、ちょっとおもしろいなって思ったんであります。
N吉は凡庸人のため、すぐに「型」を覚えたがるもんだから。本当の鑑賞はもっと手前にあるのかもなーって気づかせてもらいました。
Nさま、チケ、おおきにです。
←関係ない写真。美妹の膝でおねむ