大阪の昔の郊外

大阪歴史博物館の人気講座、建築史探偵団に行ってきました。新しい試みを考えていて、そのための勉強も兼ねて。
これって、もう10年ほど続いている人気講座なんだそうです。今回も定員オーバーで抽選だったとか。当たってラッキー!


午前中は、館で座学。3人の学芸員の方から、それぞれ今回の見学地についてご研究分野から見た講義を受ける。
飯田学芸員による、明治後期、大阪郊外市町村の税制が戸数割(人頭税)から家屋税に変わったことによる郊外化の進行というお話になるほど!……って、出典は『重税都市』(←おお!テンプレ同じ方が)でした。著者N氏の熱心な読者なのに、これはまだ読んでないのです。恥!
船越学芸員による阪神大水害の話では、谷崎潤一郎細雪』が紹介され、未読N吉は、今こそ読もうと誓う……。
酒井学芸員による表現主義アール・デコについての野心的な分類には、もっと例証を知りたくなりました。
    
午後からは、いざ街歩きです。
天下茶屋以南の住吉界隈には、こんなに色んな鉄道が走ってるんやー、と今更ながら驚嘆。住吉大社がいかに当時大きな存在だったかがわかります。
日本基督教団大阪住吉教会→遠藤家住宅→大阪府公文書館阪堺電気軌道姫松駅待合所→南海電鉄玉手変電所→NTT西日本天下茶屋第一ビル→梅谷歯科医院を回りました。
    
    
「近代建築」とひとくくりにしてしまうのは惜しい、バラエティに富んだ建築ばかりで楽しかった〜。外観から様式を分類できるようないわゆる「正統な」建築ではなく、近代建築が少しずつ日本に受容される過程を感じることができたのが収穫でした。プログラムくださった学芸員の皆様、ありがとございました!
都市計画方面にも片足ならぬ片手を突っ込んでるN吉としては、地図上で見て、なんでここだけ理路整然?な地割をしている住吉第一組合地区や今村村第一組合地区を歩いてみたかったのですが、残念、またの機会に。