古き前衛の館

たぬ様個展(←地図にさえ味がある)に出かけてまいりました。会場は、長らく幻の文化財だった(=現存は知られていたがなかなか一般に見ることはできなかった)本野精吾(←こんな人)自邸です。立命館大学でバスを降りて、ちょっと迷って到着。


早描きには思えぬたぬ様の絵は、わが家ではいっつも話題。楽町楽家に来てくださった時も、え!?っていう間に描いてはった。まるでおしゃべりするみたいに、絵を描ける才能ってすごい〜。
そんな絵にすっかりほれ込んだ母マルヨが絵葉書ほしーほしー言うて、にっこり購入してました。楽町時に自作の鞄を得てくださった奥様にもお目にかかれて、マルヨはとってもうれしかった様子。よかった。一緒に来て。


この本野邸のすごさというのは、コンクリートブロックに尽きる。安っぽいとか地震に弱いとか、すっかり日陰者の建材ですが、洋行帰りの本野は、構造材としてのブロックの可能性にかけてたんだなあ。鉄筋を入れて耐震性をアピールしたんだと思うのだけれど、どうして広まらなかったのか、今となっては不思議です。生でみたのは初めてですが、外観も中も本当にモダ〜ンで素敵!新しい試みと生活への提案がモリモリ盛り込まれています。
  
外壁=構造材なので、内部には板張りの大きな空間が広がっています。真ん中にはレンガ造の暖炉。あかあかと燃える様子を見てみたい。トイレとお風呂空間がこれまた素敵で、美しいタイルとレンガが衛生空間を作ってたんだろうなあとうっとりいたしました。
そして、敷地内の緑もいいな、と思った。敷地が狭いと一杯に建物を建ててしまいがちだけど、ここんちは、周りに作業小屋も含めた庭がある。その緑が大きな窓から見える様子も清清しい。
 
貴重な場所&素敵な絵&改修秘話を見聞きできて、たいへん得がたい体験をさせていただきました。たぬ様、もとの様、ありがとうございました。
写真、問題だったら下ろしますのでお知らせください。