小川彌生・木方十根・Pen・南部再生

キス&ネバークライ1〜9
冬だ!こたつだ!漫画祭りだ!ってことで、久しぶりに大人買いしたアイスダンス漫画。
パートナーとヒロインと幼馴染♂のコリオグラファー(←振付師のことを最近はこう言うねん)の三角関係がメインかと思いきや、ヒロイン&幼馴染が幼少時に遭遇した殺人事件と性的虐待が大きな要素になっていて、でもそこになぜかギャグのスパイスが効くという稀有なバランス感覚をもった作品(←松尾さんのファンでお話聞きにいったこともある)。おもろい。
ヒロインと書いたが、ヒロインみちるはいささか不思議ちゃんキャラで、モノローグはむしろ幼馴染の礼音(れおん)によるものが多い。この構造とタメのあまりない絵柄が、被害者のモノローグだけだと重くなりがちな題材を、見守る視点から描いて成功しているように思った。


大学町の誕生(←謎なれびゅーが)
こちらの著者による単著。各項に温度差がある気はすれど、大学の開設・移転というものが、郊外開発や都市計画においてどういう位置にあったのかということを丁寧に調べてはります。
大学が沿線にあることによって土地のイメージをアップしようとする土地経営に関わる人々、ともかく開校をめざして四苦八苦する運営側の動きなど、様々な主体の押したり引いたりによって大学町が出現する様子があぶりだされておもしろい。


Pen11/1「自分らしく暮らす家」(←施工面からのご感想がなるほど)
こーゆー特集を見るたびに、自分んち(というかセンス)のだめっぷりを再認識するわけだが。
どのおうちも素敵ですが、この時季に大きい空間の家を見ると「さ、寒い…」と思ってしまうのはわしだけ?にしても、新築もリノベも米軍ハウス的な家も等価に扱われてて、選択肢の広がりは感じるな。
人のつながりが未来を変える、と題してコミュニティデザインの特集がなされているのに注目。


南部再生vol.37「描きたくなる尼の風景」
2色刷のかっこよさ(←バックナンバーぺえじでよくわかる)にいつも唸っちまう地域ふりぺ。今号では地元の画家が尼崎を描いた風景と現状を写真で比べたり、名所図会を見てみたり、学校や銭湯や堤防に描かれた絵を取り上げてみたりと、地域に足がずっぽり入ってないと作れない情報満載で、その視野の広さを尊敬してやまない。次号も読みたい!