かごしま女子本・高村薫・高峰秀子・いしいひさいち

かごしま女子本(←そういや付録のふろしきどこだっけ)
マルヤガーデンズ以来、気になっている鹿児島。地元放送局とデザイン事務所による雑誌を相方から土産にもろた。
町の写真が少ないのは残念だけれど、ざらっとした懐かしい質感に仕上げられたお店や自然の写真から、日なたの匂いが伝わるような。ブックカフェも何軒かあって、むむむ、行ってみたい。


マークスの山
直木賞受賞作の単行本は、たしか当時、F氏に貸していただいたんだと思う。
暗く冷たい風の吹く山を描く導入部から、怖いながらも頁をめくらずにはいられない物語を、このたび文庫本として母マルヨから借りました。ぐいぐい読みました。
作者は、増刷や文庫化にあたり、かなり手を入れはる方。事前に知ってはいましたが、自分の気に入ってた文章二カ所(←ファンの方はすごいです!)ががなくなってたんで、やっぱりちょっとがっかりです。


おいしい人間(←読めばわしの紹介なんていらんけん)
先日、思いがけずO氏に頂戴した高峰本。安野光雅さんの手による装丁が上品で美しい〜。中身は折々のエッセイ集。子役時代から芸能界の酸いも甘いもかみわけてきた生き字引みたいな方なんですねー。さぞかし恵まれてきらびやかで、と先入観をもって読むと、意外に地に足のついた観察眼などが伺えてはっとしたりします。
俳優大河内傳次郎が、自らを火事から救った男をずっと付き人としてそばにおいていた話にこみ上げるものがあった。おいしいお話も満載で、すっくと背筋の伸びる気持ちの良い一冊。


ほんの一冊(←その他書評も色々気になる方)
作者が才人とは存じていましたが、この書評本漫画はすごいよ! いしい作品世界中の3人の作家(広岡先生、田淵先生、藤原先生)が書評を書く。評者のキャラがそのまま書評文に表現されていて、くすくす笑えます。書評のほうでちょっと厳しいことを書いても、付属の四コマ漫画でそこからも一つ作者自身を落とすことで、紹介した本の作者から無用の怒りを買わぬようにしているのも憎い。