津島めぐりて2

お昼は懐石処末木さん(←写真が素晴らしいぺえじ)。
敷地内に水田があり、四季折々にその風情も楽しめる料亭です。本当は会費ではお願いできるはずはないのですが、そこは普段のお付き合いやら工夫やらで寄せていただけることになりました。
ご飯にお刺身二種、炊き合わせ(南瓜、海老)などなど、デザートは冷たいお汁粉。とおってもおいしかったです。中途半端な揚げ物がなかったのもうれしく好印象。また行ってみたい。建物は近代和風で明るいハレ感があり、荒川豊蔵さん(←詳しくないですが志野焼の方です)による屏風など拝見できました。きちんとした仲居さんの給仕もとても感じがよかったです。
味はもちろんですが、サービスと器&室礼が整っているお店は、やはり満足感がある。


美濃街道の起(おこし)という宿場町(←写真も豊か)の脇本陣旧林家住宅(←庭があるとものすごく季節感がありますね)へ。隣には資料館も出来てます。
資料館では享保年間に長崎から象が上京した折、この宿場にも立ち寄ったという記録によるジオラマや、橋をかけるのは大変なので船による橋がというモデル展示を、熱意あふるる学芸員さんの説明により楽しく拝見しました。
旧林家は、奥深い庭を抱え込んだお屋敷。残念ながらお庭はサツキなど低木であるべき木々がやや茂りすぎていて、見通しが悪かったのですが、L字型に展開する座敷からの異なる眺めを計算しつつ作庭されたことは伝わりました。橋を渡した枯池底の大きさ・形の整った那智黒石が権勢を忍ばせます(こんなにたくさんの小さな那智黒石を集めるのは大変だそうです)。


近くの三岸節子記念美術館(←建築特徴もよくわかります)へも。
恥ずかしながら、全然知らない画家(←プロフィル)でした。1905年に裕福な家に生まれながら家は破産、でも意志を通して東京の女子美術大学首席で卒業、同業の三岸好太郎と結婚するも夫の女癖に悩まされ、かつ、夫は早世。そんな中でも絵筆は手放さず、生命感溢れる洋画を描き、60代でフランスの田舎で暮らすなどパワフルな生き方をされた方なんですね。宮尾登美子小説の主人公になりそう。
絵自体にはそんなに動かされなかったんですが、描くぞ!という意欲のほとばしりが感じられる絵ばかりで、かっこいい〜。肉食女子!って感じです。
美術館は、もともとあったのこぎり屋根の工場(このあたりには多いらし)を活かした建築で、二階は地域の人が合同展をされてました。


自分じゃ絶対来れないとこばっか連れてきていただいて、ありがたし。暑さでふらふらになりながらも参加してよかった。