しわしわ読書

愛すべき娘達(←評もさまざまで良し)
恵文社でチラ読みしたら、欲しくなり後日買ってしもうた。母娘暮らしに、母が娘より若いイケメンを連れ込んで葛藤が、という第一話のあらすじを書くと、ちいとも魅力的に思えませんが、この三人周りの人々をそれぞれ主人公にした連作短編集です。親は子にとっていつだって親だけど、親だって完全な人間じゃない、って最初と最後のお話がぴたりと一周して、構成力に唸りました。


シブヤ遺産(←こんな催しもあったんか)
相方評価は「学生の課題本」で、たしかにそうかも。学生さんたちが、渋谷の町を隈なく歩いて、町の魅力をあぶりだします。とはいえ、うーん、渋谷を知らないからか、あまりピンとこない(ほな読むな、という突っ込みはナシで)。谷地で高低差があるから、狭い地域に高級住宅街から風俗街までひしめいている、という第一稿の指摘はおもしろかった。あと、「ざっしぶ」(=いかにも渋谷、な遺産)というネーミングはなんだか若作り感に溢れてて恥ずかしいれす……。


おひとりさまの老後
セクシィ・ギャルの大研究(←そうそう!覚えていますとも、な言及満載なぺえじ)に衝撃を受けたクチなんで、先生のことは敬愛しております。最近はatやらを拝読するに、福祉の問題を見据えてはるなあ、と思ってました。
図書館で手にして、読んでみる。書かれていることの多くは想像できることで驚きはないけれど、自分の生に対する興味をブルドーザーのように様々な調査と資料から分析し、誰にでもわかる言葉にして、新しい方向に踏み出そうとする姿勢が、かっこいーです。言説ばかりじゃなく、人と人との関わりを大切にしてはる著者の姿もちら見できる。
で、アマゾン見てびっくり……。いや、別にみんなが賛成する必要はないし、意見が違うなら批判すればいいと思う。けど、その批判がひどく感情的や。怖い。自分の生きる枠は自分で作れるのに。


SCRAP
今号はふりぺ特集とゆことで読みたいなと思ってたら、うちにあった。相方が置いていってくれた模様。
今年は電子書籍元年だそうだし、たしかに本も売れないし、という状況ですが、だからこそフリペは力をもつような気がしていたので、この特集はちょっと意外でした。ふりぺで何かを表現したい、とうのと、ふりぺを入口に何かをしたい、というのは違う気がするな。すべからく、前者から後者へと移っていくものなのか?
←関係ない写真。連棟町家にぽっかりお空