鹿はおらぬが青によし

法隆寺の見学会へ。
五重塔。一番下は「裳階<もこし>」とゆ。
お声がけくださったのは、戦前から数えきれないほどここへ足を運んでこられたT氏。西澤先生死後も、伝説の実測伴走者を務められた方です。

法隆寺っつーたらもう古くて古くて古い寺、ぐらいの認識しかございませんが、寺はいつできたのか(仏教史)、現存する建物はいつできたのか(建築史)等、多くの論争の舞台になった場所なのでございます(←岸田今日子風by大奥)。


午前中は無料ゾーンをめぐる。
門なのに、真ん中に柱があって珍しい国宝の南大門や、八角円堂の国宝西いん堂など。八角円堂は他にこの法隆寺にある夢殿、それから興福寺の北円堂もありますが、西いん堂は古風なのだそうです。ふむ〜。後で見比べないと。


今まで、T氏の法隆寺に関するお話は何度も伺っていましたが、現地で拝聴するのは初めて。言説と実像が実を結び、なるほど!と声が出てまいます。


午後からは、国宝の中門を見て有料ゾーンへ。回廊、金堂、五重塔などなどをめぐる。こんなに国宝ばっかとは。解体修理をされているからさほど古くは見えないけれど、8世紀に創建されたものがふつーに立っている不思議。軒裏組物の削り方一つにも時代的特徴が出て、それらから年代判定の資料が蓄積されていったんですねえ。


重厚レジュメを抱えて帰途につく。復習することいっぱいです。
Tさま、皆様、ありがとーございました!