ぬれそぼる元離宮

お庭の見学会で神戸へ。

相楽園
有名なのに初めて。元三田藩出身で初代神戸市長宅が敷地も含めて市の所有になってます。敷地内の本邸は空襲で焼けて会館に建て替わり、異人館も移築されってんで残ってるのはお庭と厩舎。が、ともかくもまあ、この厩舎がすんばらし〜!残念ながら内部は拝見してませんが、重文でござるのよ。サイロ風円柱をひっつけたレンガ造りで、おっきな扉が五つに二階建て。二階には馬丁さんらが寝起きしてたみたいですが、そこもひょっとしたらうちより広いかも……なでっかい作りでした。

お庭は池泉回遊式。敷地はさほど広くなくて建てこんでいるから、築山をもりもり配置してて、歩いてみたら高低差がなかなかにありました。


西尾邸(←ともかく写真がたわわで魅力がよくわかります)
須磨が古くから開けた地ということは知っていましたが、本当に別荘地やったんすね〜。ここんちは邸宅レストラン&結婚式場になったと聞いていたのでめっちゃわくわくで見学。前庭には洋風庭園が広がっていたらしいですが、今は存在せず、結婚式施設が掘っ立てられてました。奥には日本庭園と二つの建物がありましたが、震災被害を受け、かなり痛んでて胸も痛む。高低差を生かした流れと池の庭ですが、池の飛び石が多すぎではない?
洋館はすばらしす!ツンデレ洋館でございます。

家具や作り付け調度品も眼福もので、天井の高いお部屋も素敵っ。ってこちらでお昼かと思いきや、地下の控え室みたいなところでカレーが出た……あんまりな仕打ちや、○○○クスさん。


須磨離宮公園(←意欲的なぶろぐ)
元武庫離宮片山東熊による宮殿と、福羽逸人(←農学派)による庭園が大正3年に完成したそうですが、建物は戦災により消失、現在は神戸市が管理しています。
馬車道として整備された上り坂を登る。東京の岩崎邸みたいなアプローチ(←ぐるっと回って上がります)。新しい時代の新しい乗り物により、土地の使われ方が変わったということか。そして、「装石」という石組みの説明を受けました。複数の石を表面見せながら組んで、まるで一つの岩盤のように錯覚させるという手法。これは初めて見ました!従来の日本庭園にはない、福羽の創造かも、ということでまだまだご研究中なんだそうです。おもろい!

馬車道により坂道ができるから擁壁面の表現として編み出されたならめちゃ近代的表現であるし、それが広まらなかったのは大きいお屋敷でしか通用しない手法だったのか、宮内庁系だから広まらなかったのかなどなど、今後のご研究進展がとっても気になる〜。

早起きで寒い一日だったけど、大興奮で楽しかった〜。Nさま、みなさま、ありがとございます。