町家で落語

S氏お誘いにて、御所西の町家、仁風庵(←写真も多くてご関係者かと)へ。
昭和初期建築の、商家のゲストハウスとして建てられた登録文化財です。方向音痴は、迷って遅刻。

豊田家金平氏「小言幸兵衛」、林家正雀「紙屑屋」ほか、大川貴子氏三味線でした。
完全予約制で2000円、満席。お座敷にぎゅーぎゅーです。70人くらい入ってはるんとちがうかな。

正雀氏は現在南座に出演中で、脚本も書かれるという噺家さんでした。N吉は落語はほとんど知らないし、ここで感想うんぬんはおこがましいのですが、それでも、「紙屑屋」という噺を演じる難しさは理解できた。都都逸、新内、義太夫など、紙屑から拾ってくる本に合わせてそれを次々演じはる。もちろん、言葉としては理解できるし笑えるものですが、本歌を知らないことには楽しめない噺だな、とひしひし伝わった。
松づくしという踊りも披露くださって、三味線との間合いが、これまた素晴らしかった(って、これくらいしか書けない自分が恥ずかしい)。

休憩時間には、S氏解説で建物拝見。柱の、庭側の面だけが荒れているから、この家はガラスが入る前に建ってた家だ、とか、長押が面取りされてることによる効果についての話とか。書院の格式を保ちつつ、どこまで数寄風味を入れるかってギリギリのデザインなんや。

終了後は、仁風庵さんお手製おでんと、正雀氏お手製おばんさいで懇親会。洋服に着替えられた正雀氏は、鍛えて節制してはると一目でわかる体つき(マッチョじゃなくて姿勢や立ち居振舞が)で、追っかけ嬢ちゃんがいらっしゃるのも理解できる紳士でいらされました。めちゃウマなおでんやおかずをはもはもしながら、同席の方々とお話など。美術商さんや悠々自適の大店さんたちが「今月の南座」について語るなど、まだまだ知らぬ世界は広い、と痛感いたしました。Sさま、ほんまにお誘いおおきにどす。

早々に、ご当主に挨拶して辞す。お礼状がてら、町家関係の資料やら同送したら、わざわざお電話いただいて恐縮しきり。

関係ない写真。金沢で購入。ここにピアスをしまうのだ!▼